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Aug
8th
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 地域の要求を充分に調査すること(イタリアではほぼ行われない)は、方法論における基本である。世界展開をするスターバックスは、デザイナーや建築家を少なくとも一ヶ月間その地域のカフェに送り込む。その場所のエスプリや消費者の要求を理解するためにである。まさにこうしたことから、あの”Starbucks experience”ができ上がるのである。図書館の運営にあたる行政、そして図書館員にとって、これが意味するのは、1万ユーロの予算があるなら改築工事をするのではなく、調査に使ったほうがいいということだ(もっと言えば、真剣な聞き取り調査を行わずに、1万ユーロのリノベーションを行っても、お金を溝に捨てるだけということは覚えておいたほうがいい)。

 アイデア・ストアから得られるもう一つの教訓は、利用者とのコミュニケーションの図り方は、行政や建築家が無視しやすい小さなことに端を発しているということだ。例えば開館時間などがそうである。これらのことは、「コミュニケーションの構造」の一部なので、実際の建設が始まる前に決められなければならない。間違っても、建設後に余った予算や職員の都合によって決められることがあってはいけない。公共機関の開館時間は、最も基本的な情報なので覚えやすいほうがいい。むしろ、玄関の案内に目を凝らしたり、インターネットで調べなくてもいいほど単純でなければならないだろう。アイデア・ストアは年中無休にすることで、これまで週末しか時間がなく部外者となっていた貴重な利用者を獲得することができた。それだけでなく、彼らの採用したブランドイメージにその実態が反しておらず、一貫性も保たれている。つまりは正しい方法でコミュニケーションを図っていると言うことができるだろう。

知の広場 図書館と自由

著 アントネッラ・アンニョリ  訳 萱野有美