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要するに、僕が目にした光景は、拍子抜けするほど「涙」や「助け合い」とはかけ離れていた。僕は、すっかり計画を裏切られた格好になった。そして、「そうだよな、実際はそんなもんだよなあ」とつぶやきながら、それらを丹念にカメラにおさめたのである。

ところが、これらの映像は、プロデューサーの意向で全てボツになった。「悲しみを乗り越えて、一致団結して再生しようとしているニューヨーカー」という番組のメッセージに合わないどころか、対立しているというのがその理由である。

なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか

想田和弘